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あなたになら言える秘密のこと

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私は無知だ。
この映画を見てとにかくそう思いました。

今までいろんな映画を観てきたし、
学校で戦争について多少は学んだ。
昔は怖くて観れなかった類いの戦争映画も少しずつ観れるようになってきたからか、
私はなんとなく物知りのつもりになっていたのかもしれないですね。

そんなときこの作品に出会いました。
製作や監督からして、一癖あるだろうなとは思ってたけど、おそらくはラブストーリーというジャンルに片付くであろう、そんな具合に観始めたんです。

心に傷を負った女性が職場の人間とうまくいかず、会社から1ヶ月の休暇を提案される。
することのない彼女は、事故で火傷を負った男性の看護に就き、石油採掘所に赴く。
彼は怪我のせいで一時的に目が見えなくなっているものの、自分についていっさい語らない彼女に話しかけ続ける。
他愛もないこと、
共に働く同僚について、
そして自分の抱える過去、
秘密。
そんな彼に、彼女も心を開いていく。
同時に、周りの人々との会話やおいしい食事、生きる喜びを取り戻していくのだった。
ある日、彼女は寝たきりの彼に話し始める。
昔、自分の身に何が起きたのかを。


人は皆何かを抱えて生きている。
それを大きい小さいと、他人の過去と比べることはできないと思う。
些細なことに見えるものでも、当人には大変なトラウマなのかもしれないから。

しかし、そういうものを超越して、悲惨なこともある。
それが戦争。

彼女の過去はクロアチア紛争につながっていた。
私はその戦争を全く知らなかった。
どんなことが原因で起きたのか、
どんな酷いことが行われていたのか。
知らなかったのです。

この映画は戦争映画ではなく、ひとりの女性が生きる気力を取り戻していくヒューマンドラマで、やっぱりラブストーリーも含まれている。
ストーリー全体もとっても良かったと思います。
淡々とした映画が苦手でなければ、是非おすすめしたい作品です。

そうなんです、戦争映画じゃないんです。
なのにすごく戦争というものの残酷さを思い知らされました。
人間を狂わせていく、壊していく、
傷つけていく。
主人公の秘密の告白はあまりにショックなものでした。
インターネットで思わずクロアチア紛争について調べてしまったくらいに。

観終わった後に、2つの感情が心に残りました。
彼女が再び人生を歩みだせて良かった。
という、映画全体に対しての思い。
戦争って・・人間って・・
そういう苦い思い。

それでも観て良かったって気持ちがすごく大きかったんです。
こういう映画、もっと本格的な戦争映画もそうですけど、目をそらしてはいけないものがそこにあると思うんです。
(ちなみにこの作品は、映像としては全然怖いシーンないですよ。主人公が語っているだけなので。)
自分と同じ人間が、同じ地球で何をしてきたか。
知るべきだし学ぶべきだと痛感します。
私は怖いものを見るのが苦手なので、ついつい遠ざけてしまいますが、
これから少しずつでも知っていこうと思います。
そして語り継いでいこうと思います。
私と同じ、戦争を知らない人たちに。

と、なぜか戦争戦争とそればっかりになってしまいましたが、
この映画は他にも素晴らしいところがたくさんあります。
そして中でも光っていたのはティム・ロビンス。
火傷の患者を素敵に演じています。
彼も背負っている秘密があるのですが、(これは戦争と関係なし。)それでもチャーミングで、生きることに希望を見いだそうとしている。

心に傷を負ったもの同士がふれ合い、支え合っていく姿に胸が熱くなりました。
立ち直れないくらい大きな傷がある。生きることが罪に思えるくらいに。
でもいつか、打ち明けられる人がきっと現れる。
手を差し伸べてくれる人がきっといる。
もう一度歩き出そう、そう思えたらこの世界は輝きだす。

静かに感動が心に広がる作品に出会いました。

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8件のコメント

[C27]

こんにちわ。
先日はコメントありがとうございました。
この作品、あまりの衝撃にレビューが書けずにいます・・・重いテーマがいっぱいつまっていて消化するのも時間がかかった記憶があります。
知らないことを知るきっかけになってくれるから映画見るのやめられません!また遊びにきますね!

[C28] こんばんは

じんの紗々さん、こんばんは。

この作品、わたしも見ましたよ。
クロアチアの内戦の事実は知っていましたが、
ただ、感動とまではいきませんでした。
悲しくもありましたけど・・・
正直、胸に響いた印象はあまりないです(汗)
これはスワロの嫌いな感動の押し売り的なものだったかもしれないし、
あるいは想像しにくい世界のためかもしれません。
  • 2008-03-03
  • 投稿者 : swallow tail
  • URL
  • 編集

[C29] to akkyさん

さっそく来ていただいて、ありがとうございます!!
私も、一度観て、その日うまく眠れませんでした。
次の日もう一度観て、そして巻き戻して今度は要所要所だけまた観て、やっと自分の中で整理ができてきた、そんな作品でした。
こうやってブログに書くことで、消化したかったのかもしれません。
映画はフィクションでも、学ぶことがたくさんありますよね~。
またお待ちしております♪
  • 2008-03-04
  • 投稿者 : じんの 紗々
  • URL
  • 編集

[C30] to swallow tailさん

確かに、こういう映画って好き嫌いが出るものだと思います。
結局は、観た人がどう感じるか、それぞれな訳ですしね。
私は恥ずかしながら、クロアチア紛争について何も知らなかったもので、かなりの衝撃でした。
この映画を観て、私は感動もしましたけど、それより悲しみと驚きが強く、印象に残っています。
なので、スワロさんの気持ちもわからないでもない、かな笑
  • 2008-03-04
  • 投稿者 : じんの 紗々
  • URL
  • 編集

[C31] こんにちは

じんの紗々さん、こんにちは。

旧ユーゴの内戦について多少は知っていたものの、やっぱり
ハンナの告白は辛かったし衝撃的でした。

見ているときは重いテーマだけにぐるぐると色んなことを考えて
しまったけれど、あれから随分時間が経って思い出すのは、
ハンナがちゃんと「食べられる」ようになったこと、ジョセフが
最後に大きな手を広げて彼女を迎え入れたこと…
美しいシーンばかりが頭に残っていて、すごく前向きな作品
だったんだなと改めて感じています。

[C32] to Nyaggyさん

わかります、私も衝撃的とかは置いておいて、一番心にジーンと来たのは彼女が食べる楽しみを取り戻したところでした。
話がちょっと飛びますけど、ジブリ映画の『千と千尋の神隠し』でも、おにぎりを食べるところで涙した私なんですが、やっぱり人間にとって『食べる』ということがどんなに大切か、というか必要不可欠か学びました。
そして今作で、そこにある美味しいという、私にとっては当たり前な楽しみがどんなにありがたいことかも実感しました。
最後の終わり方、ジョセフがハンナを助け出し、ハンナは観客を光のある方向へ導いてくれたような気がします。
文章クサくなっちゃったけど。
  • 2008-03-04
  • 投稿者 : じんの 紗々
  • URL
  • 編集

[C33]

お久しぶり~。
紗々ってほんとにレビュー書くの上手いよね。
ここのブログ見るようになってビックリしたんだ。
こういう映画、嫌いじゃないよ。
登場人物が何らかの秘密を持ってて、
それが物語の進行とともに明かされていくっていう流れは好きだしね。
ここまで重い話ではないけど、幸せのレシピって映画に近いのかなって思った。

ちなみに私も千と千尋、同じシーンで涙したよ(笑)
  • 2008-03-26
  • 投稿者 : こにゃ
  • URL
  • 編集

[C34] toこにゃ

お返事書くの、遅くなってごめんね(汗
ありがとー☆
そう言ってもらえると、嬉しいし励みになるよ。
観ていて幸せになれるような、楽しい楽しい映画も素敵だけど、こういう少し陰のある物語を観るのもいいよね。
そういう方が、私たち現実の人間ってものに近いと思う。

幸せのレシピ、観た??
私も好きだよ。こにゃは料理が好きだから、より料理がおいしく見える、オリジナルの『マーサの幸せレシピ』(ドイツ映画)をお進めするよ☆

千と千尋の神隠し、やっぱりあのシーンが最高だよね!!
  • 2008-04-05
  • 投稿者 : じんの 紗々
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どうも~。映画大好き管理人の紗々です。
といっても、ホラー系統の映画に関してはダメダメなんですが(苦笑
ドラマ・ラブストーリー・コメディ映画を中心に展開していきます。
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